無料でブログサービスを使うのか、それともレンタルサーバーを借りて独自ドメインを取得して、CMS(Contents Management System)を利用するのか?ブログを始めるのに、近年では色々なサービスがあり迷う人も多いと思います。
ブログ運営の狙い次第で、どのようにするかは千差万別です。ただ、代表的なモノを挙げると「レンタルサーバーを借りて独自ドメインを取得してWordPressを使うのか?」「それともnoteを使うのか?」この2択で悩む人が多いのではないかと思います。
今回の記事では、このWordPressとnoteのメリット・デメリットに触れ、ブログ運営において、どのような適正があるのか考えてみたいと思います。
【noteとWordPress:0】まずはブログを開設する場所について、解説します
まずはレンタルサーバーと独自ドメイン、そして既存のブログサービスの2つの大きな違いについて解説してみたいと思います。
有料なのか無料なのか
まずは有料か無料かの違いです。レンタルサーバーと独自ドメインは、自身でレンタルサーバーを契約しなければなりません。また、独自ドメインも自身で名前を決めて管理先を選んだうえで契約しなければなりません。
どちらも料金が発生しますし、契約の延長にも料金が発生します。一方で既存のブログサービスは基本的には使用料は無料です。より便利に使用するために、有料サービスに加入しなければならないモノもあります。
レンタルサーバーの具体的な費用としては、初期費用が無料~3000円程度まで。それプラス月額で数百円~1500円程度。独自ドメインに関しては取得費用(新規登録費用)と更新費用(年単位)がかかり、それぞれ1円~数千円の費用がかかります。
こう見るとレンタルサーバーを契約して独自ドメインを取得すると結構なお金がかかるのが分かると思います。ただ、レンタルサーバーによっては契約をすれば永久無料の独自ドメインがつくサービスもあるので、それを利用すればレンタルサーバー代のみで、まかなうことも可能です。
環境を含めての管理
レンタルサーバーの問題は料金だけではありません。レンタルサーバーはサービスによって使える容量も300GB~1600GBまでと違いがあります。なのでアクセス負荷は当然考える必要があります。また、セキュリティ面についても考える必要はあるでしょう。一方、既存のブログサービスは運営会社側がほぼすべてを管理するので、アクセス負荷やセキュリティなどの環境面などは、特に考慮する必要はありません。
環境面を運営会社側に丸投げできるのは、非常に良い点なのですが、逆に言えば運営会社の都合次第で自分がこれまで書いた記事が無くなってしまうこともあります。エクスポート機能でデータを吸い出せたとしても、独自ドメインではないので、これまでドメインに蓄積された信頼性や権威性(ドメインパワーによって検索順位は上がりやすくなる)は一旦リセットされてしまいます。
その点、自分でレンタルサーバーを借りて独自ドメインで運用していれば、たとえレンタルサーバーが変わってもドメインに蓄積された信頼性、権威性は変わらないので、検索評価にダメージはありません。
【noteとWordPress:1】WordPressを開設する場合
WordPressとは、CMSというコンテンツ管理システムの一つです。プロブラミングの技術があれば、よりカスタマイズは可能ですが、その技術がなくても容易に記事を制作し管理することができる便利なシステムです。このWordPressのメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット
レンタルサーバーや独自ドメインには料金がかかりますが、WordPressそのものは無料で利用可能です。無料でありながらWordPressにはブログの外観となるテーマ(テンプレート)が多く用意されています。それだけではなく、自分で作ったテーマを利用できたり、外部からテーマを購入して使うことも可能です。また、さまざまなプラグインが用意されています。
このプラグインは外部の企業や個人のエンジニアがWordPressにリリースしてるもので、表示速度を早くするプラグインやSEOライティングをサポートするプラグイン、さらにはSNSサイトを作るプラグインまで多種多様なプラグインが存在します。
プラグインの組み合わせ次第で、いかようなことも実現が可能になるのです。ちなみにテーマと同じように、プラグインも自分で作ることは可能ですし、外部から購入して使うことは可能です。
デメリット
WordPressはカスタマイズ性が高い分、テーマやプラグインのアップデートに注意をしないといけません。たとえば優れたテーマやプラグインであっても開発者側が「もう対応しない」となってしまえば、そのテーマやプラグインが新しいバージョンとの互換性を失い利用不能になってしまうケースも結構あります。なのでバージョンの更新作業は定期的にやらないといけませんし、開発者側の動向次第では別のプラグインの使用も検討しないといけません。
またサーバーやドメインに契約期限があることも忘れてはいけません。だいたい1年更新で期限が近づけば、メールが送られてくるのですが、この契約更新を忘れてしまうと、レンタルサーバーにアクセスできなくなり、データも削除されてしまうので、このレンタルサーバーやドメインの期限の管理も注意が必要です。
さらに、1番のネックはやはり、レンタルサーバーや独自ドメインにかかる固定費でしょう。上手く永久無料の独自ドメインをゲットしてレンタルサーバー代のみに抑えても1000円くらいは、月々かかってしまいます。この月1000円を許容するなら、それで良いと思いますが、やはり『せめて1000円以上のサーバー代くらいは稼ぐブログにしたい』と思う人は多いと思います。
月1000円程度とはいえ、いくら真剣にブログに取り組んでいても、結果が出ずに毎月出費ばかり重なるのは苦痛だと思います。なので、『サーバー代をまかなえるレベルの知識とノウハウを別の場所でつけてからWordPressに挑戦』なんて考え方も私はアリだと思います。ちなみに私は無料のlivedoorBlogで2年ほど知識とノウハウを蓄積してから、今のWordPressに移ってきた経緯があります。
【noteとWordPress:2】noteを利用する場合
noteは文章や画像、音声、動画などを投稿して公開できるメディアプラットフォームです。単なるブログではなく、Twitterの「いいね」のような「スキ」が用意されていて、SNSに近い機能があります。
メリット
noteは無料で利用できます。予約投稿機能や定期購読マガジンを始めることができる、月500円のプレミアム会員などもあります。noteの魅力は何と言っても、「コンテンツを作ることにのみに集中できる」といった事でしょう。WordPressと違ってテーマやプラグインの現バージョンとの互換性やセキュリティなど、細かいことを気にせずに、コンテンツの制作のみに没頭できる点が特に良いと思います。
また、noteはそれそのものが1つの村です。noteにある絵や文章を求めて、毎日そこに住む人が一定数います。WordPressの場合は基本的に検索エンジンやSNSからの集客に頼る形ですが、noteを利用すれば直にnote村のnoteユーザーに届くので、そこが非常に魅力です。例えばエッセイを書いてもSNSのフォロワーは必ずしも、みんながみんなエッセイが読みたい人なわけではありません。
エッセイ好きなフォロワーだけを集めたアカウントなら別ですが、SNSには絵が好きな人もいれば、文章が好きな人もいて、動画じゃなきゃ受け付けないなんて人もいます。SNSは人口は多いのですが趣味趣向がバラバラだったりします。コンテンツを、そのまま放り投げても、上手くマッチしない可能性が意外にも高い環境なのです。
しかし、noteの場合は、『そもそもnoteでコンテンツを消費したい人』という人が住んでいます。じっくり絵や文章を読んで噛み砕く人達。なのでnoteはマッチングがしやすいといった利点があります。もちろんタグを使わないと適切なユーザーにコンテンツが届かないのはTwitterに似た部分はありますが、基本的にはコンテンツの消費意欲が高い人達が住んでいるのがnoteなのです。最近はコロナ渦なので内科医の先生が最新情報をnoteに載せたり、歴史研究家の方がnoteにコンテンツを載せたりしています。コンテンツ消費欲の高い人が多い場所はコンテンツの中身で評価してもらえる率が高いので、そのようなプラットフォームに魅力を感じている人は多いのでしょう。
さらに忘れてはならないのがnoteは手軽に有料記事がリリースできる点です。設定1つで有料と無料を切り替えることが可能です。WordPressのプラグインでも同じことは可能ですが、「決済手数料」と「振り込み手数料」が、結構かかる場合が多いですし、noteの方がコミュニティは大きくて購買意欲も高い人が揃っていて知名度もあるので、noteを利用しての有料記事の販売はファーストチョイスになると私は考えています。
デメリット
noteのエディターは余計な機能が少なく、コンテンツ制作に没入できる機能があると思いますが、カスタマイズ性が低いです。これはエディターだけではなく、記事のデザインも固定で統一されています。
さらにAmazonアソシエイト以外のアフィリエイトが原則禁止です。Google Adsenseなどの広告の掲載はできません。Google Adsenseのクリック課金からの恩恵を受けることが、できないのはブロガーとしては痛い話です。その点WordPressは自由にどこでも広告を張ることが可能です。
また最近、有料オンラインマガジンのcakesがサービスが終了になったので、その関係でnoteが少し話題に上がりました。cakesは実はnote株式会社が運営していてエクスポート機能が無いことが問題視されていました。
エクスポート機能が無いということは、コピペでコンテンツを移動しなければならず、コンテンツの移管作業が非常に困難です。コンテンツの多い人は移管作業そのものを諦めてしまう人もいるでしょう。実はnoteもcakesと同じようにエクスポート機能が無いので、「noteもcakesと同じようになるのではないか?」と心配する声が多かったんですね。
またnoteに場所を借りているので、noteの規約に触れるようなコンテンツはアカウント停止の対象です。なので現状、自分のコンテンツの全てをnoteに置きすぎのは、特に収益がそれなりに発生してる人にとってはリスクがある行為であると言えるでしょう。
【noteとWordPress】まとめ
以上、WordPressとnoteのメリットとデメリットを挙げて比較をしてみました。私は長くブログを続けていくなら、間違いなくWordPressをオススメします。レンタルサーバーが変わったとしても独自ドメインに蓄積された評価は継承が可能だからです。noteだとそもそもnoteのドメインですし、コンテンツのエクスポート機能が無いので、noteのサービスが終了してしまえば、「また0からやり直し」なんてことにもなりかねません。
ただ、noteのプラットフォームが抱えるnote村の住民に関しては非常に魅力で、文章でも絵でも動画でも、渾身のコンテンツはnoteに置くのも良いと私は考えています。WordPressは基本的に検索エンジンとSNSからの集客に頼ります。
検索エンジンを攻略するにあたり、読者を意識してクオリティの高い記事を書くのは前提にありますが、それと同じくらいGoogleのガイドラインに従い、ライバルサイトを意識してコンテンツを作る必要があります。検索エンジンに評価をされないのであれば、小説家のような味のある文章も上手い情景描写も切り捨てていくのがSEO的な考え方です。
一方でnoteは完全な読者ファースト。その記事を読んだ人が「笑うのか?」「涙を流すのか?」そういった素のままのコンテンツ力で勝負をした方が人気記事になりやすい。noteで検索エンジンの上位を取ることもありますが、基本的にnoteはnote内で大量の「スキ」を獲得することが何よりも大切で、そこにはGoogleも他の大手サイトの存在も関係ありません。
タイトルにもしましたが、WordPressとnote、いったいどちらが良いのでしょうか?どちらも一長一短があり、明確にどちらが良いとは言えないと思います。ブログ運営の戦略やクリエイターとしてのポリシーにも関わる話でしょう。検索エンジンやSNS、noteのプラットフォーム。それぞれの特徴を踏まえた上で、上手く使い分けをするのがベストなのかもしれません。