小説を書く人の中ではおなじみの、ライトノベル作法研究所。このサイトを眺めていたら、気になる投稿を目にしました。
どうもALLTです。
今回の相談は割と深刻です。いや、今までの相談も深刻ではありましたけどね。ファンタジーを書く上で致命的な悩みです。タイトルのように「戦闘に魅力を持たせられない」んです。
ラノベはやはり読者を楽しませるものです。ファンタジーなら読者をハラハラさせるような戦闘にしなくてはいけません。
今までも、私はできる限り戦闘に魅力を持たせるようにしました。
しかし、制作中の物語を書くにあたって、銃について友人に教えを乞いました。それ以外にも狙撃手や突撃隊などの役割なども。
しかし、その際に思ったのです。「本当の戦場は残酷なもの。それに魅力を持たせるなんて……。あんなスポーツ観戦のようなハラハラ感を持たせるなんて無理なんじゃないのか?」とほんの一瞬思ったのです。
最初はそこまで気にしていなかったのですが、いざ戦闘シーンをちょっと書いてみると、なんだが「やった勝ったぞ」という達成感を感じないような書き方になりました。
どちらかというと勝利や戦いの空しさしか感じないような書き方です。相手が魔物だからいいだろうという意見もあるでしょうが、魔物は元人間という設定ですし、対人戦闘も多いです。
引用:戦闘に魅力を持たせられない。虚しい
戦闘中はみんなが必死になるから問題はありません。やらなきゃやられる世界ですし、撃ち殺したときも「よし!」って思うこともあります。
確かに現実の戦争は残酷なものです。爆弾が爆発して、ガラスの破片などが身体に刺さっただけでも人は致命傷を負います。
よくあるバトル漫画のように、片腕が吹っ飛んでて生きてること自体が、ありえないわけです。
戦闘をリアルに忠実に描くと、あまりにも重くシリアスな話になってしまいますよね。
しかし、これを打開する方法があって、死にそうになっても生き返るシステムを作ることです。
例えば漫画のワールドトリガーには、トリオン体とベイルアウト(緊急脱出)といった仕組みがあります。
ワールドトリガーではトリオン体といった、生体エネルギーで作られた仮の身体を作ります。そのトリオン体で戦闘をすることにより、腕や足が切り落とされるなど、リアルでは戦闘不能レベルのダメージを負っても、そのまま戦闘が可能です。
またベイルアウトシステムにより、トリオン体が破壊されて、生身の身体で一発でも攻撃が当たれば死ぬような状況でも、自動的に本部のオペレータールームに転送される優秀な仕組みがあります。
要するに戦闘に負けても命までは取られずに帰還できるんです。
ワールドトリガーではこのトリオン体とベイルアウトシステムを導入することにより、戦闘の重さや戦闘のグロテスクな部分を上手く排除しています。
その作品のターゲット(想定読者)次第ですが、戦闘における怪我の意味や死の意味は、その都度うまく調整する必要はあると思います。
ちなみに私は、あまりシリアスな戦闘は好きではなく、ゲーム性を競うスポーツ的な戦闘の方が好みです。好きになったキャラが今にも死にそうなくらいピンチになっていると、もう次のページを開きたくなくなってしまうんですよね。感情が揺さぶられすぎて(笑)
・Thai artist paints beloved dead anime characters for mourning fans | AFP
タイで死んでしまったアニメや漫画のキャラクターの肖像画50枚を作って、個展を開いたアーティストがいましたが、私はその気持ちはスゴク分かります。
架空の物語であっても、死の意味ってスゴク重いんです。これって、マーケティング的な理由以外にも、作品を作る時に本当に良く考えるべきことなのかもしれませんね。