食品用ラップとは、食材や料理を包むのに用いられる樹脂フィルムです。料理の保存やレンジ調理などに特に便利です。
一般的な家庭用の食品用ラップは大抵は幅が22cmや30cmくらいで、長さが30m~50mほどのモノがあります。ただ、これが業務用になると長さが100m、750m、1,000mなどがあり、カッター刃が箱の中央ではなくサイドについていたりします。
この食品用ラップは製品の種類により違いがありますが、-60℃~+150℃まで対応します。レンジで料理を温める時は、飛び散らないようにラップをして、蓋の変わりに使うのが一般的な使い方と言えると思います。
食品用ラップの種類
食品用ラップは大まかに4種類ほどあります。
ポリ塩化ビニリデン
ニオイや湿気を通しにくいラップです。食材の酸化や劣化を抑制すると言われています。漬物などニオイがキツく他の食品にニオイが移る懸念のある食材に使うのが良いです。
ポリ塩化ビニル
ニオイ移りなどに関しては、酸素通過度の観点からポリ塩化ビニリデンには劣ります。しかし密着性があり価格も安いので、ニオイ移りが気にならない食材であるなら、常にこの食品用ラップを選んでおいて間違いないと思います。
ポリメチルペンテン
耐熱温度がなんと180℃と高温であることが特徴的です。スープなどを温める時は、これを選択すると良いでしょう。
ポリエチレン
食品用ラップには樹脂をやわらかくするために添加剤が使われています。米国では食品に接触する材料から溶出する物質も食品添加物と見なされます。食品用ラップはこの場合、間接食品添加物ですね。
添加物の安全性は公には担保されています。ただ食品添加物という考え方が生まれたのは1947年です。まだ75年程度の歴史です。さらに天然由来の食品添加物に規制がかけられた食品衛生法の改正は1995年です。
つまり極論を言うなら、『食品添加物を体に入れ続けた人間が、最終的にどうゆう健康状態になり、寿命にどのような変化があるのか?』長期的なデータが不足した状態なんですね。
なので『長期的なデータが不足している以上は、なるべくなら添加物からは距離を取ろう』と言う人達が現れました。ポリエチレンとは、添加物なしなので、その需要に答えた食品用ラップと言えるでしょう。
ちなみにポリエチレンにも欠点があり、食品が酸化しやすくニオイも移りやすいです。おまけに容器にひっつきにくい。添加物なしは魅力的ですが、その機能面がどうしても、他の食品用ラップと比べて劣ってしまいます。